呼吸と生きる

毎朝、加藤メソッドの呼吸法をするのが日課だ。

加藤メソッドとは、加藤俊明先生の呼吸法で、「丹田で吐くのみ」の呼吸法だ。
はじめはちょっとコツがいるけれど、とても深いのにとてもシンプルで身体も心も楽になる。
数年前の夏の終わり、加藤先生のレッスンに参加したのがはじまりである。

丹田に意識がいき、心身に軸ができていくのが面白い。
毎日やっていたら、数日後、その威力を実感する出来事があった。
夫が出張先で地震にあい、帰れなくなってしまったのだ。

停電、断水、空港もストップした。
ホテルを探さなくちゃいけない。
現金がなくなったら食料も買えない。
携帯の充電が切れたら連絡もできない。
帰る手段を考えなくちゃいけない。
夫ができることは限られている。

夫を無事に我が家へ帰す。
わたしのミッションはそれだけだ。
様々なことが頭を巡り、様々な可能性を探し続け、様々な機関とコツコツ連絡を取っていった。

その数日間、一日中、加藤メソッドの呼吸法をしていた。
常に意識は丹田にあり、頭はクリアで、氣持ちは落ち着いていた。
不安は少なからずあったけれど、それよりもやるべきことを淡々と行い続ける、辛抱強さと根気と自信と信頼があった。

そのおかげで、神がかり的な、すんでの可能性を幾つもくぐり抜けて、夫は無事に帰ってきた。
何もかもが嬉しくて、ちょっと遅い晩餐だっけれど、その日はワインをあけて祝ったのを覚えている。

それから、何となく続けている。
エネルギーは、頭にあるより、お腹にあるほうがやはり生きやすい。
吐くだけというやり方も面白いけれど、この加藤先生がなかなかチャーミングな愉快なかたなのだ。

加藤先生は谷川俊太郎さんの個人レッスンをされているのだが、チャーミングなこのおじいさま2人の共著を最近手に入れた。
「呼吸の本」
そのまんまのタイトルで、なかなか深いことが書かれているのだけれど、何よりお2人のお人柄があらわれていて、時折クスッとしながら読める。
この力の抜き加減、好きだなぁ。

いましばらくは、加藤先生のレッスンに直接参加できないから、これを読んで空気感を思い出しながら呼吸法をしている。
呼吸ほど、シンプルなのになおざりにされていて、意識次第ですべてとつながっていけて、自分をコントロールできるものはないように思う。

呼吸とは、
生きる基本であって、
生き方の応用でもある。
簡単だけど難しい。
だから、どうやるか意識するかで、もの凄く差が出てくるものだとも思う。

加藤先生のレッスンにまた参加できる日がくるのが楽しみだ。
そう思えるのも幸せなことだなと思う。

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